2014年08月01日

宮本 輝 「水のかたち」

 あぁ、やっぱり宮本 輝の本はいいなぁ・・・・・・
 図書館にある長編小説は全部読んでしまいました。
 さっき読み終えたこの本も、もう一度読もうと思います。
  

 返却期限を過ぎてしまいそうなので、明日いったん返して延長の手続きをしてこなきゃ。

 作者のあとがきにあるような、
 「善き人たちのつながりによって生じたとしか思えない
 幸福や幸運の連鎖」

 本当にそんなものがあるような気がしてきます。

 友達に聞いたばかりの糖尿病治療としての糖質制限食が詳しく紹介されていたり、
 主人公たちがプチ旅行を楽しんだ大井川鉄道の旅がちょうどテレビ番組で取り上げられたり。
 いくつかの偶然も楽しみました。

 「自分を自分以上のものにみせようとはせず、自分以下のものに見せようともしない。」
 そんな風に生きられたらいいなぁ。
 「人間はすぐにうぬぼれる。絶えず嫉妬する。他人の幸福や成功をねたんだり、そねんだりする。
 自分を周りからいい人だと思われようとする。」・・・・・・あぁ、どれも身に覚えがあります。
 そんな私の周りには、
 「善き人たちのつながりあってできる幸福の連鎖」なんてないかもしれない。

 でも「・・・歳月とともに変わっていく。
 良く変わっていく環境の中で暮らすうちに必ず変化が生じる。
 そう信じることだ。信じるというのは心の問題だ。
 世のあらゆる物事や事象に、自然に信じられることなどひとつもない。
 信じると決心したら信じられるようになっていく。」

 小説の中でだけれど、たくさんの「善き人たち」に出会えてとても嬉しいです。
 そしてこれが私が宮本 輝の小説が大好きな理由です。

   


Posted by Let's study together at 17:59Comments(2)